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2019-01-23

190123 南房総エコリノベワークショップ2019レポート


こんにちは、つみき設計施工社の金井です。

 

今回は、1月19、20日の2日間に渡り南房総の「ヤマナハウス」にて行われた、エコリノベワークショップをレポートしたいと思います。

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ヤマナハウスは茅葺の大きな屋根のある古民家です。築300年の古民家とあって、冬場はすきま風が吹き込み、寒さに凍えながら過ごしているとのこと。今年のエコリノベワークショップでは、この古民家を暖かくするべく、日本各地から30名近くの方々が集まりました。

 

今回は、大きく分けて6つの断熱改修を行いました。

1. 着脱式 天井断熱パネル
2. ポリカ二重窓
3. 断熱床パネル
4. 断熱障子
5. 畳下の断熱
6.天井裏断熱

それぞれについて、詳しく見ていきたいと思います!

【着脱式 天井断熱パネル】

1つ目は、吹き抜けになった土間の天井を塞ぐ作業。吹き抜けで天井が高く、とても気持ちの良い空間です。その一方で、冬は暖かい空気が全て屋根裏へと逃げてしまい、家の中で最も寒い場所の一つになっていました。

熱気が上に逃げていかないよう、ネオマフォームという断熱材をはめ込みます。方法は、梁の内側に桟を取り付けて上から断熱材を置くだけ。着脱式にすることで、夏には風がぬけるよう取り外して使用できます。

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ネオマフォームをのせた天井。梁の部分に細い桟木が見えます。

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作業が完了した土間の部屋。ストーブの熱気も部屋にとどまり、断熱前より格段にあたたくなりました。

 

【ポリカ二重窓】

2つ目は、土間にある窓に内窓をつけるワーク。寸法を測ったら、3cm×4cmの木材で四方枠を作ります。そして、四方枠の内側にポリカーボネートを細い角材で挟んで取り付け。こうしてできた大きな窓を、蝶番で既存の窓の内側に取り付けます。これらは全て、ホームセンターで手にはいる材料です。

取り付けるとすぐに、ひんやりした空気が抑えられているのが実感できました。新しくできた内窓によって、冷えた窓面からの「冷放射」が抑えられいるためです。既存の開口と新しく作った窓の間には少しの隙間ができたため、「モヘア」を使って埋めることになりました。

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【断熱床パネル】

3つ目は、断熱床パネルの制作です。合板の裏にスタイロフォームを付けた特製のパネルで、冷たい床の上に並べて使います。タイルのように自由に組み合わせができ、こたつの小上がりとしても便利。こたつの熱が床下に逃げなくなります。ひとつひとつ座布団のように使っても面白いです。こちらも夏の間は簡単に取り外し可能です。

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【断熱障子】

4つ目は、障子の断熱。障子紙が貼られる部分にあわせてポリカーボネートを切り、木材ではさみこんで取り付けます。

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【畳下の断熱】

5つ目は、畳の部屋の断熱。畳の下に透湿防水シートを敷き、タッカーでとめていきます。その上に「ザ・スリム」という4mmのスタイロを敷き、畳を元の位置に戻します。畳を戻せば見た目は変わりませんが、寒いすきま風の侵入を防いでくれます。

断熱改修において、床下からの隙間風を抑えることが重要です。「寒い空気が床下から入り天井から抜けてしまう」空気の循環の「入口」を閉じることができるからです。

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50408718_2398459790182096_6215886449858838528_n写真協力:永原次郎さん

【天井裏の断熱】

6つ目は、天井裏に断熱材を入れる作業です。天井裏に、グラスウールという断熱材を敷き詰めていきます。天井裏に上がると、室内に比べてとても「暖かい」ことに気づき、驚きます。本来室内に留まっていて欲しい暖かい空気が、上昇気流によってここにやってくるのです。

グラスウールを敷くことによって、室内の暖気が、天井裏に逃げてしまうのを防ぐことができます。逆に夏は、天井裏の暖気が室内に入るのを防ぎます。天井に施工する断熱材としては様々なものがありますが、DIYでの施工性を考え、「袋入りのグラスウール」を今回は採用しました。

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6つの作業を経て、断熱前と後のヤマナハウスの温度をくらべてみました。
畳の部屋の断熱前がこちら。足元も天井も冷え切っています。

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断熱後がこちら。

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4℃ほど温度が上がり、足元の冷え込みも和らぎました!

 

こちらは土間の様子。サーモグラフィーで見た断熱前の天井がこちらです。49946972_2178380155559373_1939336909926957056_n

 

断熱後、小さな暖房をつけた部屋。暖房をつけて2-3分後には、天井があたたかく、オレンジ色に変化していることが分かります。暖気が、天井裏に抜けることなく、ネオマフォームの手前で留まっていることがわかります。(写真は、講師の竹内昌義さんによるもの)50969946_2178380178892704_2126950100847558656_n

写真協力:竹内昌義さん

みなさんが断熱の効果と「DIYでできるんだ」ということを実感できたようで、「ぜひ自分の家でもやりたい」という声がたくさんあがりました。

 

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外と変わらない寒さの中すごしてきたヤマナハウスのみなさんが過ごしやすくなったことはもちろん、このワークショップを通して新たな輪ができるのを感じられた、とてもあたたかなワークショップでした。ご参加いただいた皆さま、2日間ありがとうございました!

今回のワークショップは、南房総リパブリック主催、みかんぐみ竹内昌義さん、南房総リパブリックから内山章さん、そしてつみき設計施工社のメンバーで講師を務めさせていただきました。

部屋が寒くて布団から出られない!という方は是非、ポリカ二重窓づくりに挑戦してみてはいかがでしょうか。
それではみなさん、断熱で快適な冬をお過ごしください。

 

つみき設計施工社 金井

最後になりましたが、ワークショップの舞台として場所を提供いただいたヤマナハウスの皆様に、心から感謝いたします。

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