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2016-08-04

千葉大学研究室リノベーションvol.2【漆喰を原材料からつくる】


2016年7月、千葉大学の林立也先生の研究室となる教室を、学生たちとともにリノベーションしました。建築を志す学生たちが、実際の素材に触れられる機会をつくりたいという想いから始まったプロジェクトでした。今回は漆喰塗りワークショップの様子をご紹介します。床張りワークショップの様子はこちらからご覧ください。

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石灰・海藻・スサからつくる、本物の漆喰。

「左官を身近なものへ」をモットーに活躍されている女性左官職人、marumo工房の金澤萌さんを講師に迎え、学生たちとともに一からの漆喰づくりに挑戦しました。漆喰の原材料は、石灰、海藻、スサの3つ。一般に販売されているものやDIY向けに塗りやすくしてあるものには、これらの自然素材の他にナイロン繊維や合成樹脂などの科学材料が含まれていることが多いと言います。

スサを人の手で細かくちぎる。

スサは藁や麻などの植物繊維で、漆喰の強度を高め、収縮・亀裂を防止する役目があります。材料を練る前に、スサが十分に分散するよう手で小さくちぎります。地道な作業ですが、みんなの手で最後の一欠けまで細かくしふわふわのスサが出来ました。

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IMG_7986海藻を煮詰めてノリを取り出す。

今回金澤さんが用意してくださったのは、黒銀杏という種類の海藻です。これを鍋でぐつぐつと煮詰めたら、こし器でカスを取り除きながら先ほどのスサに海藻糊を練り混ぜていきます。教室内いっぱいに、濃い、海の香りが漂います。

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石灰を加え、ひたすら練る。13529123_1129515143738139_6905338437446373386_n

スサと糊が良く混ざったところで、消石灰を加えていきます。煮出したての海藻糊の粘り強さに負けないよう、重たい材料を力強く練る学生たち。漆喰ができていく実感がクワを持つ手から伝わります。

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道具に触れ、使い方から丁寧に教わる。

出来上がった漆喰を塗る前に、金澤さんによる左官コテとコテ板の使い方レクチャー。各道具の持ち方と、コテ板に乗せた漆喰をコテで取る動作の練習から始めます。

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IMG_8024一からつくった漆喰を、塗る。

みんなで原材料からつくった漆喰を、ついに塗るときがきました。材料をコテで持つと改めて本漆喰の粘り強さに気付きます。最初は歓声を上げながら塗っていた学生たちも、徐々に職人さながらの真剣な顔つきに…。愛着ある、優しい質感の漆喰壁に仕上がりました。

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何で、どうやってできているのかを知る。

参加していた学生の中には「漆喰を塗りたくて来ました!」という声もちらほら。しかし、市販のできあがった漆喰を塗るのと、自分達で一からつくった漆喰を塗るのとでは、その一塗りに対する気持ちに格段の差があることでしょう。建物をつくる素材に実際に触れ、それが何で、どうやってできているのかを知っている、という喜びや安心感は、きっと生活を豊かにする。建物に限らず、食べ物にも共通することがあると思います。このように貴重な実験を、建築を学ぶ大学生とともに行えたことを嬉しく思います。

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次回は、布張りの椅子と本棚づくりワークショップのレポートです。床張りワークショップの様子も、こちらからご一緒にご一読ください。
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