15/8/15 左官職人さんとつくる手づくりの門柱
市川市塩焼でリフォーム中の住宅の現場に手づくりの素敵な門柱が完成しました。石を積んだように見えるこの門柱、実はモルタルに彫刻を施すように製作された、造形なのです。
手づくりの住まいづくりを楽しむ この住宅にお住まいのTさんとの出会いは、つみきが主催するものづくり教室、「つみきの学校」でのことでした。
元々ものづくりがお好きなTさんご家族は、カーテンをご自身でつくられたり、壁紙の貼り方を学ぶ講習会に参加されたり。リフォーム工事もすっかりプロに任せてしまうのではなく、ご自身でも色のシュミレーションをされたり、検索した画像で好きなものを探してみたり、積極的に住まいづくりに取り組まれている素敵なご家族です。
そんなTさんにはぜひ!と、手づくりの門柱をご提案したところ、喜んで賛成して下さり、製作がスタートしました。
門柱づくりは表札づくりから
門柱工事に先駆け、まずは表札づくり。発砲スチロールから切り出した文字を型に固定し、モルタルを流し入れ、半乾きの状態で傷をつけ、素材感を表現します。塗装をして、発泡スチロールの文字型を取り除けば完成です。
いよいよ門柱の製作!
1日目にブロックを積み、2日目に左官材の下塗り、ここまでの下地づくりは職人さんの仕事です。
3日目にはいよいよ素材感を表現していきます。職人さんが専用のモルタルを塗りつけたところにTさんご家族が石を描いていきます。色んな道具を使ってモルタルを傷つけ、石のテクスチャをつけていきます。一つ一つ丁寧に、ダイナミックに。モルタル造形の一番楽しい作業です。
4日目は塗装作業。赤、黄、緑など、石の色を少し大胆につけた後、全体にグレーを塗り、隙間や汚れやすそうなところには濃い色を塗ります。コケの生えそうなところには濃い緑を少し塗り、全体に白色をスプレー…何度も色を塗り重ねて深い落ち着いた積み石が完成しました。
職人さんの技術なくしては!
門柱工事はmarumo工房の金澤さんと行いました。金澤さんは、「左官」という、今多くの人にとって縁遠くなっている職人技術を身近なものにしたいというモットーを掲げ、お仕事をされている女性左官職人さんです。
今回の門柱の製作に用いられたのは「モルタル造形」という左官技術。アンティーク、ファンタジーから重厚な雰囲気まで、さまざまな表情を表現することができる技術ですが、材料の乾き具合や、素材をリアルに見せるためのコツなど、左官の世界で修行を積んで培われた知識と経験なくしては絶対にできないものでした。職人さんの技術を活かしながら、住まい手が理想の暮らしを自分たちの手でつくりあげていくことは、つみきのまさに目指すところであります!