【竣工写真】大きなアイランドキッチンが家族の中心にある家 – 戸建リノベーション / Paticipatory renovation of a two-story wooden house with an order-made island kitchen.
大きなキッチンが中心にある家
Paticipatory renovation of a two-story wooden house with an order-made island kitchen.
ハウスメーカーが25年前に建てた2階建て木造住宅を、オーダーメイドのアイランドキッチンが中心にある住空間にリノベーションしました。キッチンによって隔てられていたダイニングルームとキッチンは、1つの大きな空間に。家の中に、家族が集まる中心を作りました。タイル貼りや漆喰塗料塗り、床貼りなどを中心に住まい手家族も工事に参加して、理想の空間を一緒に作りました。
玄関とダイニングの間の壁を撤去して、大きな木製ガラス戸を設置しました。玄関からガラス越しに、 アイランドキッチンとダイニングルームの全景が見えます。
大きなアイランドキッチンの良いところは、調理と食事を同時に行えることです。お弁当を詰める横で、家族が朝ごはんを食べたり、時にはお友達を招いてパン教室を開催したり。
タイルの選定に最後までこだわりました。タイルという製品は工業製品でありながら、焼き物であるため、1つ1つ風合いや寸法に微妙な差異があります。壁紙やキッチンパネルとは異なる、個性ある質感を楽しむことができます。ダイニングキッチンの中で、4種類のタイルを使用しました。
「ヘリンボーン柄」の床のある家に住むことがお施主さんの夢でした。玄関からキッチンにかけての床に、花梨材のヘリンボーンを採用しました。花梨の床が玄関で家族やお客様を出迎え、ダイニングキッチンへと導きます。
キッチン天板が広くなったことで、調理を始める前に食材や調味料を並べることができる様になりました。
天板には、mortex(モルテックス)という素材を採用し、左官職人の金澤さんに塗ってもらいました。強度のあるコンクリート系の左官材で、飲食店のカウンターなどによく使われる材料です。ステンレスなどと違って、使い込むほどに経年変化で色が濃くなっていきます。
塗装DIYワークショップの様子です。壁面には少量のブルーの顔料を加えた、漆喰塗料を採用しました。塗り厚やコテでの抑えかたによって質感に変化を出すことができます。天井には、栂(ツガ)の羽目板を貼りました。
漆喰塗料の質感です。日本の家の壁のほとんどは「白」です。どういうわけか、壁と聞けば自動的に「白」を選んでしまいがちです。でも、壁を好きな色に変えるだけでも、家族の個性を、住まいに表現することができます。参加型リノベーションを通じて「その時」「その家族だから」生まれた家になるといいな、と思います。そして時とともに、DIYで変化させていけばいいと思うのです。
木工房ようびさんが作ってくれたウィンザーチェア。調理の合間に一休みできる場所、キッチン横の出窓の前に作りました。
湯気の向こうに見えるカーテンは、なつめ縫製所によるものです。お施主さんが愛読する「暮らしの手帖」にヒントを得て製作してもらいました。
出窓にはモザイクタイルをDIYで貼りました。
キッチンの引き出しなどの木部には、クルミ(鬼胡桃)の無垢材を使いました。東北の山で育ったクルミ丸太から、板にして造作してもらいました。
照明は、迷った結果、真鍮のペンダントライト(futagami)をアイランドキッチンの真ん中に垂らしました。天井には、ペンダントライトの他に、6つの小さなダウンライトを配置して、全体を優しく照らす設計としました。住宅の照明は、全体は明るくしすぎず日中は自然光に頼り、手元などの必要なところが十分に照らされている位がちょうどいいと思っています。
キッチンが家族の中心にある家。もともとあったそんな暮らし方が、もっと自然に在る事ができる様、住空間の骨格と意匠をともに整える。そんな仕事をさせていただきました。
設計:つみき設計施工社
施工:つみき設計施工社・marumo工房 等
(記.河野直)
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