ともにつくり、学ぶ。馬橋の一軒家
2016年11月、松戸市馬橋にたたずむ築42年の一軒家をリノベーションしました。omusubi不動産と共同で塗装や左官のワークショップを開催し、たくさんの人の手で見違えるように息を吹き返したこの物件。今回は、この一軒家がどのようにして生まれ変わったか、その過程をレポートしたいと思います。
古さを生かした古民家風リノベーション。
もともとレトロな雰囲気のあるこのお家は、新しさを押し出す設計よりも古さを生かした古民家風の内装を提案しました。緑色っぽい繊維壁だった廊下と2階の壁は全て漆喰仕上げにし、天井は白に塗装。床はダークウォルナットのオイルステイン塗装を施した板張りにし、その他の木部も濃く塗り重ね、重厚感を演出しました。
古い民家が、見違えるように
施工前に訪れたときは薄汚れていておどろおどろしい空気が漂っていたこの一軒家も、大がかりな工事なしで、白を基調にしたシンプルで綺麗な空間に生まれ変わりました。「古い」家を「古くて素敵な」家にリノベーションすることができました。
ワークショップでつくる家
馬橋の一軒家で特殊だったのは、内装工事に参加してみたい人を集ったワークショップを開き、参加者の皆さんと学びながらつくりあげたということです。ワークショップは「塗装」と「漆喰塗り」の2回に分けて開催し、多くの人に参加していただきました。
参加者の方々とペンキ塗装!
11月15日は一回目のワークショップ、「塗装ワークショップ」でした。床や壁を養生するところから一緒に始めます。細部まで丁寧に。時間の要する作業ですが、塗装後に剥がしてみてテープを綺麗に貼ることの大切さをみんなで実感。際がしっかり出ると、気持ちがいいです。
面白い人たちとの出会い
時に世間話も交えながら一日中同じ目標を持って作業をするなかで参加者の方々の話をよく聞くと、興味深い活動をされている方や、これから挑戦したいことを語られる方が多く、刺激を受けることが多々あります。そんな人との出会いがあるのも、ワークショップでつくる魅力です。
塗装後にみんなで写真撮影!
漆喰塗りワークショップ
塗装ワークショップの翌週11月22日には、「漆喰塗りワークショップ」を開催しました。講師はmarumo工房の女性左官職人、金澤萌さん。漆喰が落ちてシミにならないよう床や壁の養生から始め、塗る壁には漆喰の塗り厚さを残してマスキングテープを貼り、やっと漆喰を塗り始めます。この日はコテ板をつくるところから教えていただきました!
現場での経験がそのまま力になる。
参加者一人一人が塗る面を決めて、金澤さんご指導のもとで漆喰を塗ります。始めは探り探りだった作業も、次第に上手になってくる参加者の皆さん。夕方には、迷いのない目でもくもくと作業をする皆さんの姿から、今日のワークショップが内容の濃いものであったと実感できました。
仕上げは職人さんに。
最後に入隅や出隅などの難しい箇所を金澤さんに仕上げていただきました。大小さまざまなコテを器用に翻し、美しい手さばきです。
職人さんの下塗りから
漆喰塗りワークショップの前段階として、既存の繊維壁はがしと下塗り作業は職人さんたちがやってくださいました。凹凸の激しかった壁面も、ワークショップの参加者ができるだけ漆喰を塗りやすいように下塗りで平らにならしてくださっていました。
ともにつくり、ともに学ぶ
長い間空き家だった馬橋の一軒家は、たくさんの人の手で素敵に生まれ変わりました。空き家のリノベーションを、外に開けた学びの場にすることが出来たら、楽しいことがもっともっと起こるんじゃないかと想像が広がった現場でした。
こちらの物件、omusubi不動産から賃貸募集を行い、無事、素敵な入居者さんが決まったそうです。素敵なプロジェクトをご一緒させて頂いた、omusubi不動産様、オーナー様に、心から感謝致します。
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